毎日使う場所は、片づけをすると効果を感じやすい場所。
さらに、玄関や洗面所など、用途が決まっていて比較的狭いスペースから始めるのが、おすすめです。
次におすすめするのは、キッチン。
判断しやすい場所ですが、意外とものが多く、全体となると時間はかかります。
ただキッチンは、リビングと近い場所に位置することが多い。
だからこそ片づけをすると、使いやすさだけでなく、視覚的効果も高い場所です。
今回のサポートは、リビングと一体化しているキッチン。
収納が少ないキッチンに、試行錯誤。
使いたい!と思っていた「もの」があるのに、スペースが足りなくて使えない…
そんな想いをお持ちでした。
そして、思い描く理想の姿があるからこそ、そこへ到達できないもどかしさがストレスに。
心地よさは、動線だけでも、効率の良さだけでもないと感じます。
スペースは有限。
収納が少ないからこそ、優先順位を決め、置くものの量を厳選しなければなりません。
使うものを使う場所の近くへ使いやすく収納し、使わないものは移動させていきます。
悩んでいたことが嘘のように、手を動かし始めれば、実は答えが出ていました。
きっかけが無かっただけだったようです。
片づけた後に見えた景色は、スッキリ!
理想の暮らしに近づくための第一歩となった、片づけの様子です。
※掲載許可いただいています
キッチンの問題点
今回のお悩みは、大きく2つ。
- 収納が少なく、ものが溢れてしまう
- どう収納したらよいか、わからない
リビングと一体化した、I型キッチン。
リビングには大きな掃き出し窓。
向かいには洗面脱衣所への扉があり、家具などを置く場所も限られた状態。
リビングとの境界として、奥行のない腰高のカウンターを置いていました。
収納は、キッチン上下部分と、オーブンレンジ専用棚の下に小さな扉1つ分。
奥行のないカウンターが、収納できるスペースです。
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチンカウンターBefore.jpg)
キッチンとカウンターの間は狭く、人一人分のスペースしかありません。
料理をしている時に人が入ってくると、ストレスに感じるとのこと。
食器棚を置くスペースがないため、シンク下収納に食器を収納。
重くなり壊れた引き出し収納は、外れてしまうために最後まで引き出せなくなっていました。
カウンター収納には扉がなく、ホコリっぽくなるのが悩みどころ。
衛生的にも、カウンター下部の棚には、食器類を置きたくないとのことでした。
そして特に気になるのは、カウンターの上。
たくさんの「もの」が置かれ、テーブルの上にも。
飾りものもありましたが、ちょい置きが発生している状態。
問題がどこにあるのか?でも対応が変わります。
悩みはもちろん、どのような希望があるのか、丁寧にヒアリングしていきました。
キッチン収納の悩みの奥に理想がある
お話を聞いていくと感じたのは、理想の姿がしっかりあるということ。
「使いたい食器やコップがあるのに、置くスペースがない」
「家族に手伝って欲しいのに、キッチンが狭い」
理想は、好きなものに囲まれた、ゆっくりできる空間。
そして、家族にもっと家事に関わって欲しい、という願いでした。
整理収納で最初に叶えるのは、使いたい食器類は仕舞い込まずに使うこと。
気持ちが上がらないもの、欠けているものなどは除けて、使いたいものを優先。
家事動線も見直しながら、収納場所を決めていくことにしました。
また、視界に入る景色も大切。
ごちゃごちゃしていると、気持ちもスッキリしません。
そこで、カウンターの上には何も置かないことにしました。
判断しいやすい場所から整理する
キッチンの中でも、特に用途がハッキリ決まっている「もの」からスタート。
鍋やフライパンなどの調理道具は、判断しやすいと思いますよ。
コンロ下、引き出し収納内から始めました。
収納から全てのものを出し、収納内を綺麗に掃除。
要る、要らないの判断をしていただきます。
キッチンは、判断しやすい場所。
使うものが集まる場所だけに、使えないもの、使いにくいもの、使わないもの、などが分かりやすい。
使わないには、必ず理由がありますよ。
今回は、同じような大きさのフライパンがいくつも。
なぜか使うものは決まっていました。
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン引き出し6Before.jpg)
理由をハッキリさせ、言葉にすることが大切です。
その為、色々な角度からご質問。
ご本人が言葉にすることで気づきがあり、納得いく判断ができるように感じます。
また、判断しやすい「もの」からスタートすることがポイント。
片づけの始めと終わりでは、判断速度も、判断基準も変わることが多いですよ。
一度は「とっておく」と判断したのに、一巡したら「やっぱり要らない」となることも。
判断の精度が高まるのですね。
基準は、変わっていくもの。
悩む時は、悩むもので分ければ大丈夫です。
逆に、「要る」と即決できる「もの」は、使うもの、大切なもの。
そういった「もの」から、収納する場所を作っていくと分かりやすいと思います。
Before→After
キッチン全体の片づけ、Before→Afterです。
キッチン上部収納
Before
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン上左Before.jpg)
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン上右Before.jpg)
After
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン上左After.jpg)
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン上右After.jpg)
なんとなく…で収納していたキッチン上部収納。
使わないものは上へ収納するなどの、基本は理解されていました。
さらに使いやすくなるよう、場所ごとに用途を決めて。
ストック類は取り出しやすいよう、取っ手付きの収納用品をご提案しました。
コンロ下収納
Before
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン引き出し6Before.jpg)
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン引き出し4Before.jpg)
After
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月29日キッチン引き出し6After.jpg)
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン引き出し4After.jpg)
コンロ下の引き出し収納は、2段。
その為、収納の高さが低く、フライパンなどを立てて収納することが出来ませんでした。
重ねることとなりましたが、整理で数を減らし、取り出しやすく。
蓋は分けて縦収納に。
用途が違うものは、ファイルボックスを使い、分けて縦収納にしました。
食品関係のストックは、上から重ねてしまい埋もれ、死蔵品が多く出てきました。
そこで、ここへ入れるものを、調味料、乾物、乾麺などに絞り、範囲を決めて。
スープや即席めんなどは、移動させます。
上から見て分かるよう、収納しました。
作業台下収納
Before
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン引き出し1Before-1.jpg)
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン引き出し2Before.jpg)
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン引き出し3Before.jpg)
After
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン引き出し1After-1.jpg)
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン引き出し2After-edited.jpg)
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン引き出し3After.jpg)
引き出し収納が3段。
用途を決めて、仲間分け。
引き出しごとに用途を決め、さらに収納内も場所で用途決め。
「ストック」と「使用中」のものは、しっかりエリアを分けて。
関係ないものは出し、他の場所へ散らばっている仲間を集めます。
収納内も用途を決めて、しっかり「分ける」ことがポイントになりますよ。
シンク下収納
Before
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン引き出し10Before.jpg)
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン引き出し9Before.jpg)
After
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月29日キッチン引き出し10After.jpg)
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月29日キッチン引き出し9After.jpg)
引き出し収納を、最後まで引き出さずとも良いように、よく使うものを手前に。
さらに作業台が近い右側へ、よく使うものをまとめました。
また全体量を減らしたため、引き出し自体が軽く。
収納内のエリア分けに意味を持たせ、収納の考え方をお伝えしました。
シンク脇収納
Before
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン引き出し8Before.jpg)
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチン引き出し7Before.jpg)
After
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月29日キッチン引き出し8After.jpg)
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月29日キッチン引き出し7After.jpg)
シンク脇、一番端の引き出し収納2段。
主に洗剤や消耗品、製菓用品など。
収納内をエリア分けし、仲間でまとめるよう意識すると良いです。
深い引き出しは特に、上からものを入れてしまいがち。
縦収納にし、重ねないようにすることがポイントです。
カウンター収納
Before
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月22日キッチンカウンターBefore-1.jpg)
After
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月29日キッチンカウンターAfter.jpg)
カウンター収納は、棚板をいくつか移動させました。
行き場がなく、作業台へ置かれたままだったものなどもここへ。
置き場所をしっかり作ることで、出しっぱなしを無くします。
使いたいと思っていた、コップやマグカップも収納できました。
カウンター上へ置きっぱなしになっていた、薬類やポーチにも、置き場所を作って。
カウンターの上はもちろん、テーブルの上も整理。
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月29日キッチンカウンター上After.jpg)
この状態をキープできるよう、維持するコツ、注意すると良いことなどを一緒に確認をしました。
片づけで意識したこと
収納が少ない今回のケース。
特に意識したことは、2つ。
- どんな仲間でまとめるか?
- ものの最大量と、流れは?
仲間分けは、人によって違いが大きく、使いやすさに直結するところ。
仲間を意識することで、「考えなくても戻せる」を目指します。
スペースが無い場合、優先順位が低いものは、別の場所へ移動する場合も。
仲間を考えた時、「アウトドアで使うもの」として、保管場所を変えたものがありました。
「使う時はいつか?」と考えてみるのも方法です。
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2023/11/芝生.jpg)
また、ストックする消耗品などは、普段の最大量を確認します。
買い方に関わることですね。
一度に購入する量が多いのに、収納スペースが狭ければ、溢れてしまいますよね。
そのような時は、一時置き場所を別に設け、使う場所へ移動させる方法も。
ただ、その場合は手間が増えてしまいます。
それならば、購入する量を少なくして、一か所へ収める方が良い場合もありますね。
実は今回、キッチンペーペーの話になり…
「ロール型」と「ティッシュ型」の違い、メリットデメリットなど、買い物についても考える良い機会に。
ものの形状は、収納に関わります。
さらに購入数は、収納スペースに関わります
家にものを入れる時から考えることも、大切なことですね。
生活スタイル、家族構成、性格なども考慮してください。
適した方法でなければ、維持することが難しくなってしまいます。
まとめ
リビングも含めた作業は、2回に分けて。
キッチン全体の片づけにかかった作業時間は、約5時間ほどです。
カウンター上、ものがなくなりスッキリ!
真っすぐにラインが揃っている、平らな「面」が大きく広がっている状態は、スッキリ見えます。
他にも、形を揃える、テイストを揃える、色を少なくする、などなど。
実は視界って、とても大切な要素。
収納や整頓に関わることですが、心地よさに直結する重要な要素ですよね。
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月29日キッチンカウンター上After.jpg)
また、「分ける」をしっかりすることは、「仲間にする」を考えることでもあります。
分け方にも、色々なバリエーションが。
- 種類で分ける
- 動作で分ける
- 使う時で分ける
- 大きさで分ける
- 形で分ける
- 人で分ける
などなど。
どのように分けたら、戻しやすく使いやすいのか?
片づけが進むと、「あそこにも仲間があったはず…」なんて、皆さん自ら気づき出します。
この頃には、片づけが少し楽しくなってくるはず♪
しっかり分けて、優先順位を決めることで、使いたいと思っていたものを出すことができました。
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2024/03/2月29日キッチンカウンターAfter②.jpg)
そして最後の決め手は、「戻す」を習慣にすること。
ものの定位置を決めたら、戻すを習慣にして完成です。
その為には、置き場所=定位置をしっかり作ることが必要ですよ。
「一度この状態になったら、戻りたくな~い!」
という声が聞けたので、戻すを続ける原動力になったら嬉しい限り。
簡単に戻せる仕組み作りが、習慣に繋がる第一歩。
一度しっかり整理、仕組み作りに取り組んでみてくださいね!
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2023/09/キッチン9月6日⑦-300x225.jpg)
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2022/12/キッチン前4-225x300.jpg)
![](https://kurashi-and.com/wp-content/uploads/2023/11/食器棚10月16日①-225x300.jpg)