なかなか鮮烈なタイトルですが…本当に面白いのです!
歳を重ねた男性の片づけの話としてしまうには、もったいない。
片づけに正面から向き合った方の気づきは、参考にできることが多いと思います。
試行錯誤したからこその片づけ談義は、腹落ちしますよ。
考えに至ったエピソードは、どれもとても面白く。
可愛いイラストと共に、するする読めておすすめです。
沢野ひとしさん
沢野ひとしさんは、イラストレーターであり、エッセイストであり、絵本作家。
椎名誠さんのエッセイの挿絵を描かれている方なのですね。
こちらの本にも、シンプルでゆるい感じの可愛い絵が、話にあわせて描かれています。
山登りをされるようで、本の中でも「山登りは片づけ」という持論を展開。
山岳をテーマにしたイラストエッセイが人気のようです。
「ジジイの片づけ」は、70歳半ばに書かれた本。
昨年11月には、「ジジイの台所」という本を出版されています。
こちらも気になる!
「ジジイの片づけ」
2020年10月、集英社から発売。
現在、重版5刷です。
谷川俊太郎さんが推薦!と書かれています。
ご自身の経験を基にした、片づけへのこだわりが満載。
話の合間に「百文字コラム」として、片づけのポイントを3つに絞りまとめています。
その為、作者の経験や持論を読んで楽しみ、納得。
まとめたポイントを基に、片づけを実践。
といった感じで、自分の生活を振り返り、片づけへ向かいやすくなっていると思います。
本の中で、これ、本当にそう!と思ったのは、一番最初の項。
- 「毎日同じことを習慣づける~朝の10分間片づけ~」
毎朝10分片づけをする、という話。
ご自身は毎朝行われているそうですが、もちろん時間帯は自分に合わせて…とあります。
これは、本当に効果があります。
10分でできることは意外とあるのですよね。
そして、方法というよりも、マインドに響く片づけに関する話も。
- 「片づけも、一汁三菜」
- 「パリジェンヌはバスタオルを持たない」
こちらでは、自分自身の快適は何か?を見つめる大切さが書かれています。
片づけを通して、自分の「大切にしたいこと」を見つめるのですね。
まずは手を動かし、片づけをする。
片づけをすることで自分の基準がハッキリしていく、は本当にそうです。
そして、自分が歳を重ねてきたからこそ思うのは、老いた先の片づけについて。
本の終盤は、先を見つめた片づけの話。
タイトルに「ジジイ」とつけたのには、いくつかの想いがあるからだと感じとれます。
コレクター気質であったり、ものが手放せないという方。
老後の暮らし方というだけでなく、大きく言えば「執着」というものに対しての話は、考えさせられます。
ご自身の基準をハッキリ示されているけれど、寄り添う気持ちが感じられ、スッと入ってくると思いますよ。
まとめ
片づけの本は色々ありますが、「読んで効く」という種類だと思います。
片づけの方法を探している方よりも、自身と向き合うきっかけが欲しい方へおすすめかと。
著者は、若い頃は部屋をモノで溢れさせるのが喜びだったそう。
それなのに、歳を重ねるごとにモノに縛られない暮らしに方向転換。
それは、「もっと自由になりたい」という思いから、片づけに向かうのだということ。
モノの片づけは、心の片づけでもある。
さっぱりと片づけて、もう一度夢多きあの頃に戻ってみよう。
「ジジイの片づけ」まえがき から
楽しく読んだ後には、片づけがしたくなる…
そんな本でした♪
お時間があれば、ぜひ読んでみてくださいね!